よりよい眠りを得るためには

活力の源

皆さんは、日々しっかりと眠ることができているでしょうか。
実は日本人を対象にして行われた「眠り」に関するアンケートがあります、その結果を元にして「眠り」の質について見てみましょう。
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このアンケートによると、しっかり眠ることができていると答えている人が36%弱となっています。
その他の人は「熟睡が出来ない」「時々目が覚めてしまう」というように、眠りの質の低さがあることを回答しているのです。
つまり、60%以上の人が自分の眠りに対して何かしらの不満を持っているということになります。

「眠り」というのは、人間にとって非常に重要な要素の1つです。
十分な睡眠が取れていなければ、翌日の活動に「無意識の内に」悪影響が発生している、という研究結果もあります。
つまり、自分としては十分であると思っていても、実は不十分で気づけば効率が悪化してしまっている、というようなこともあり得るということです。
それでは、どのようにして眠ると「良い眠り」を手に入れることができるのでしょうか。

眠りについて考えるためには、まず睡眠というのがどのようなメカニズムで行われているのか、ということについて知る必要があります。
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つの種類が存在しています。
レムというのはRapid Eye Movementの頭文字を取ったもので「睡眠中に目が動いている」状態のことです。

レム睡眠というのは目が動いている睡眠のことで、比較的浅い睡眠です。
これに対してノンレム睡眠というのは目の動き収待っている睡眠のことで、深い睡眠のことを指しています。
この睡眠はだいたい90分周期で入れ替わると言われていて、この「90分周期」があることから、睡眠時間は90分区切りで設定するのが良いと言われているわけです。

日々の疲れを取り、翌日の活力を蓄えるためには「ノンレム睡眠」の時間を取ることが重要になります。
眠りについた直後はレム睡眠で、90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返すとすると、3時間の睡眠で1時間半のノンレム睡眠を取ることが出来ます。
できれば1回の睡眠で2回から3回程度のノンレム睡眠を取りたいため、6時間から9時間の睡眠時間を取ることが重要になるわけです。

寝付きをよくする

しかし、「睡眠時間」としてそれだけの時間を取っていたとしても、実際に眠れている時間がそれよりも短いという人も多いのではないでしょうか。
例えば夜の12時から朝の6時までの6時間を睡眠時間に当てるという生活リズムであるとしても、実際に12時に布団に入ってから、眠りにつくまで時間が掛かっている人も多いかと思います。
1時間以上かかってしまうという人は、「寝付きを良くする」ことが十分な睡眠時間を確保することに直結することになるでしょう。

それでは、寝付きを良くするためにはどのような方法を取るのが良いでしょうか。
眠れないのは「交感神経」の働きが優位になってしまっていることが原因であると考えられます、つまり、脳内がまだ「覚醒」している状態であり、眠りに向かう状態になっていないということです。
このスイッチを切り替えて気持ちよく眠るには、交感神経の働きを抑えることができる「副交感神経」の働きを活発にさせる必要があります。

まず、睡眠前4時間以内には、できる限りカフェインの摂取は控えるのが良いでしょう。
カフェインは交感神経の働きを活性化する力があるため、入眠の阻害をしてしまうためです。
コーヒーだけではなく、紅茶やココア、チョコレートなどにもカフェインは含まれているため注意しましょう。
ただし、ハーブティーについてはカフェインが含まれていないため、飲むことが出来ます、ハーブの種類によっては神経を落ち着ける効果があるため、積極的に飲んでみるのも良いでしょう。

そして最近多いのが「スマートフォン」の使用による睡眠阻害です。
眠れないとなると、ついついベッドの中でスマートフォンをいじり始めてしまい、気付くと時間が過ぎてしまっている、ということも多いのではないでしょうか。
実はこの「スマートフォン」の明かりが、睡眠を阻害する原因の1つとなっていることが考えられます。
枕元でスマートフォンを使用する場合については、明かりを弱めに設定するようにしましょう。

体温調整も大切です。
人間は体温が下がる時に「副交感神経」が活発になるため、入浴時に湯船でしっかり体を温める必要があります。
シャワーでは体の芯まで温まらないので、必ず湯船に入るようにしましょう。
そして入浴後すぐに布団には入らずに、少し休んで体温を下げます。
30分程度休んだ後に布団に入ると、ちょうどいいくらい体温が下がっているので眠りにつきやすいでしょう。

冷え性ですぐに体が冷えてしまう方は、入浴後に足だけ布団に入れておくことも効果的です。
また布団が重すぎる場合も寝付きが悪くなるので、軽くて暖かい羽毛布団を使用しましょう。
特に国産の羽毛ふとんは、頼りないくらい軽いですが、驚くほど温かくおすすめです。
逆に布団が軽いと落ち着かないという方は、職人が手作りしているような綿布団が重くて落ち着くでしょう。

最後に「睡眠」のためには、日々の生活を規則正しくすることが重要ということについても紹介します。
できるだけ毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにすることが、適切な睡眠を取るための重要なポイントです。
身体がそのリズムに馴染むようになれば、自然とその時間になった時に眠くなるようになってくれます。